いまばりタオリー

パラサイトのいまばりタオリーのレビュー・感想・評価

パラサイト(1998年製作の映画)
4.0
ボディスナッチャー物を学園に落とし込んだ傑作寄生パニックホラー。

同調圧力による不信感の始まりは子供の唯一のコミュニティである学園から始まり、同化は全体にとって住みやすい社会とされオリジナリティは排除されていく。
恐怖も不安もない安心安全な世界の為この小さい牢獄で個人は殺されていくのだ。

学生時代もろにそれを味わった身として、孤独で居場所のない者であり何とか自身を隠しながらも同化だけは避けようと生きるキャラクター達に感情移入せざるを得ないというか、愛おしさしかない。
生活の為自分の本心を隠し続けてきた彼らが公に解放し幕を閉じる様は本当に素晴らしい。

そういった大きなテーマ性以外にも、前半に散りばめられた伏線が決してドヤ顔にならず自然に回収していく様もまた気持ちが良い。

物体Xは言うまでもなく傑作ホラーだが愛おしさでいうと今作の方が断然強い大傑作。