ヴァルーン

ディア・ドクターのヴァルーンのネタバレレビュー・内容・結末

ディア・ドクター(2009年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

物語は村でたった一人の医師である伊野の失踪から始まる。 村の皆から慕われていた名医が失踪に至るまでを、東京からやってきた研修医である相馬の目線とともに描く。

前提としてこれは流石に立派な罪。 人の命に直接触れる職はちゃんとした免許あってのものですからね。
その前提の上で、医師として振る舞うと決めてから引くに引けなくなった伊野の、本物の医師以上か?って言えるほどの努力と、村人に慕われる所以の人柄を見ると、これ国によっては無罪放免いけそうじゃない?って思えるくらいの挽回。

逆に偽りなく診断し、どんな結果であれ原則プロトコル通りに治療を進めるほんとの医師よりも患者からの信頼は置かれそう。

そこまで真の善人として堂々たる振る舞いで生きてきた男が最後には村から逃げることになったほど、やっぱり偽ってた最中に加担される重みは大きかったんだなあって思いました。

とりあえず、理不尽に報われないようなオチには安心しました。 観る者の人間性も培われた気分