人生を降りようとする者とこれから羽ばたこうとする者とのひと時のクロストーク。感情のヒダにフッと息を吹きかけるような、余韻の残る作品です。
10代という、貴重な時に誰に出会うか、何をしていたのか。それがその後の自分の人生に良くも悪くもどれだけ影響を及ぼしているのか、過ぎ去ってみて初めて気づくものです。
この主人公のように多感な時に『人生の師』と呼べるような人に出会えることはまぁ稀です。私も今思い返してもあまり思い浮かびません。だからこそ映画や本、音楽に夢中になっていたのかもしれません。
映画を観たり、あるいは本を読んだり音楽を聴くという行為は、つまりはそういった自分にとっての人生の師を探していることなのかもしれませんね…。