マヒロ

わらの犬のマヒロのレビュー・感想・評価

わらの犬(1971年製作の映画)
3.5
静かな地を求めて都会から田舎へ引っ越してきた数学者(ダスティン・ホフマン)とその妻だったが、田舎の町は都会とはまた違うイヤーな雰囲気漂う場所であった…というお話。

都会から来た学者で妙に綺麗な嫁さんがいるという時点でどこか引っかかる部分があるのか、田舎ヤンキーに目をつけられてチクチク苛められるんだけど、気が弱いもんだから強く出れないおかげでそれが更にエスカレートしていく。
ついには留守中に奥さんをレイプまでされてしまうわけだが、うだつの上がらない夫に呆れていた部分もあったのか、奥さんが全然満更でもなさそうだったりするあたりがより泣ける。ホーミー…とか言ってるし。というか、この奥さん常にノーブラで乳をゆさゆささせながら歩いてるし、すぐ外の屋根で作業してる奴らがいるというのに窓開けっ放し&素っ裸で家の中をうろついたりと、そもそも危機管理足りないんと違いますかという気がしないでもない。なんかヤラレてる時の表情とかもやたら上手いし、根本的に雰囲気がエロいんだよねこの人。スーザン・ジョージさんというらしいですが。

そんなこんなで陰湿ないじめが続いたまま日は過ぎていくんだけど、ある日偶然起きた事件をきっかけに、いよいよダスティン・ホフマンもプッツンときて、彼の家を舞台に今まで自分を虐げてきた男たちに対する大復讐がはじまる。ようやく行動起こしたよ!と半ば呆れつつやっぱり興奮。復讐ものというとやはりそれに至るまでの"タメ"が大事だと思うけど、ここまで溜めに溜めたのは初めてかもしれない。

ただやっつけてスカッとしたーで終わるのではなく、どんなに暴力を避けてきた人も向こうからくる暴力に対しては同じように暴力で応えるしかないのか…と考えさせられる作品でもあった。

(2015.181)
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