Wacky55

白雪姫のWacky55のレビュー・感想・評価

白雪姫(1937年製作の映画)
4.5
1937年に公開された記念すべきディズニー長編映画第一作目であり、プラス世界初のカラー長編アニメ作品でもあり、映画界の歴史を大きく変えた傑作である。

総合評価: 4.5
保育園時以来の久々の視聴でした。今でもこの作品の凄さを改めて感じさせられました。

演出/脚本等: 4.4 
原作ではグリム童話ということもあり、かなりエグい描写で描かれている白雪姫。これをディズニーは原作を忠実に描きながらも、グロさの部分を大幅にファンタジー化という形でブラッシュアップした所はまさにディズニーマジック。そして原作では脇役プラスあまり目立つ存在ではなかった7人の小人を、本作では英タイトルである白雪姫と7人の小人(Snow White and the Seven Dwarfs)通り、重要な役割を担うキャラとして描かれ、それぞれの小人をネーミングと個性で見事にマッチさせ、子供から大人までもほっこりと楽みながら見られる作品として導かせることに成功させるこのプロセスが正直今になっても凄すぎると思います。

演出に関しても、手洗い、お手伝い、そして家事の大切さを直接的に視聴している子供達に向けたユーモアな演出(例:物語中盤、白雪姫と森の動物達が小人のお家をお掃除したり、小人に手を洗うよう促す場面)は、ディズニーらしさがあるなと思いました。
そして王妃/魔女、子供の頃あまりにも恐怖でビビっていましたが、今見てもやはりちょっと怖かったですね(笑)。ただ言い換えれば、30年代のアニメ映画にも関わらす、今でもかなりのインパクトを受けているというわけですから、改めて凄いなと感じました。

では久々に今作を見て気になったとろはあったかというと、いくつかはあったというのが正直。特に最後の場面に関しては、何かあっさりしていて、強引にハッピーエンドに持っていた感が強いのかなと見てて感じましたし、そしてそのあっさりとした流れになったことで、 “現実に白雪姫は息を吹き返した”というより、 “これは夢もしくは夢想の世界”という感じに個人的には見えてしまったんですよね。もう少し最後の部分を長く描かれていたら、 “現実”というふうに完全に解釈できていたのかなと思います。

しかしながら、かつての白雪姫のイメージをストーリーなどで大幅に変えたこのディズニーのチャレンジ姿勢は、大いに評価するべきあることは間違いないでしょう。

声優: 4.6
ほとんどの登場人物の声が非常に印象的でした。特に歌声(ハイホーや“いつか王子様が/Someday My Prince Will Come”)は、やはり耳に残りますね。

アングル等: 4.1
アングル特にPOVは非常に最高でした。それぞれのキャラクター達からの視点だけでなく、バーチャルリアリティとまでとはいきませんが、視聴者を実際のストーリーの世界に入り込ませるような感覚にさせるように、POVなどのワークがうまく活かされているなと個人的に見て感じました。

編集: 5.0
手塚治虫が50回以上も見に行った、というのが非常に理解できる。まず情景などの描写が非常に美しく綺麗であり、ディズニーらしい温かみのあるカラーグレーディングが非常に活かされていて、とても魅力的でした。そして何より一番は、キャラクターのモーションが非常に緻密。例えばロトスコープによる、白雪姫や王子の表情、手、そして腕の動きが非常にきれいで細かい。他にも、老婆や小人の目の動き(例:瞬き)も非常に印象的でした。

サウンドも驚きでした。普通ならこの時代はノイズ音があってもおかしくはないのですが、物語序盤での井戸の場面でのエコーサウンドは非常に鮮明! 今になって衝撃を受けてしまいました。
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