日本舞踊の名取となった夫人（志麻いづみ）が、闇博打に出入りする婿養子の不義により、高額の借金を背負わされてしまう。世俗を知らない薄幸美人の哀愁を描いている、日活ロマンポルノ。団鬼六・著「肉体の賭け」を作者本人が脚色。鬼プロ第一回作品。

いつも通りの団鬼六劇場のため、登場人物がどのような目に遭わされるのか、早いうちに予測できてしまう。だが、安直な拘禁劇に収まっておらず、ドラマ性に比重が置かれているため、物語が停滞することの苛立ちは、あまり感じられない。

志麻いづみのダウナーな芝居と、主人公の妹（早野久美子）＆空手の講師（下元史郎）のアッパーな芝居。その両者の化学反応が、いちいち面白い。闇組織のボスがインポという設定もイカしている。

女優に対する凌辱プレイでは、妹が逆さ宙吊りを披露してくれるが、主人公は簡易的に縛られたままで弄り回されるだけ。バイブ責めがあるけれど、蝋燭責め、浣腸はやらずじまい。歌舞伎のようなSMプレイを期待すると、肩透かしを食らうので要注意。

• #エロ映画

この1ヶ月半くらい精神的に参っていたんだけど、やっと映画観られるレベルに回復。某ニュースで博打でこさえた夫の莫大な借金を妻が知らなかったと聞き、そういえば夫の借金のカタに妻がやむなく云々的なモチーフってロマンポルノにありそうでないなぁ、ロマンポルノで春を売る女性たちってたいてい自分の意思で春を売ってるよなぁ、男にだまされてとかはたまに見かけるけど、基本自立してるよなぁ、70年代から80年代になるとそのあたり顕著で、女教師とか看護師とかキャリアウーマン系多いよなぁ、なんて思いを馳せていたところ、この映画は旦那の借金のカタ系だというふれこみだったので再生開始。しかし主演の志麻さんは踊りの師匠だし割烹女将なのでやっぱり自立している。鬼六先生初プロデュースらしく、にっかつ作品じゃないからにっかつ感がない。志麻さんは美しいし出てくれば画面がきゅっと締まるものの、とにかく展開がなさすぎて退屈で観るにたえない。でも下元さん出てくるからそこだけはテンションが上がる。志麻さんの濡れ場まで果てしなく時間がかかるのでそれまで江崎さんとか新人女優とかが脈絡なしに濡れ場を担当していて特に新人女優は存在が唐突すぎてなんだかよくわからない。渡辺監督の「セーラー服色情飼育」も可愛かずみにエロさせない縛りかかってんのかなと思ったけど本作も志麻さんにエロさせない縛りかかってるとしか思えなかった。今更志麻さんにそんな縛りかけてもしょうがないしなぁ。結局旦那の借金のカタ系なのかと言うとそうでもないし、なんかどこがSMなのかよくわからなかったけどこれが鬼六先生の具現したかった世界なのか。SMってやっぱこうSとMの向こう側に愛がないとただの虐めだよなぁ。気狂いピエロのアンナカリーナ化する志麻さんはもったいない。結論、志麻さんと下元さんの無駄遣い。

「蒔いた種は、
刈り取らなければ。」

志麻いづみ
やっぱり気品があるというか
眉の主張が強いというか。

これまでの自分原作モノの
日活の映像化に不満でもあったのか
なんなのか知らないけど
団鬼六自らプロデュースした作品

らしいけど、文芸作品
的路線を追求しすぎた感

いつもの低俗な日活ロマンポルノの
世界でオイラは十分なんだが笑

下元さんが珍しくいい人役

• #舞い