団鬼六 黒髪縄夫人の作品情報・感想・評価

団鬼六 黒髪縄夫人1982年製作の映画)

製作国:

上映時間:60分

3.1

「団鬼六 黒髪縄夫人」に投稿された感想・評価

父の高級料亭を引き継ぎながら日本舞踊の名取となった夫人(志麻いづみ)が、闇博打に手を染めている婿養子の夫の不義により、高額の借金を背負わされてしまう。世俗を知らない薄幸美人の哀感を描いているロマンポルノ。団鬼六原作「肉体の賭け」を原作者本人が脚色している、鬼プロ第一回作品。

前半部における、闇組織の地下室のシークエンスから、各登場人物の紹介までの流れの時点で、誰がどのような目に合うのかが大体予測できてしまう。しかし、安直な密室監禁劇にはなっておらず、ドラマ重視の作風に終始一貫しているため、一定の訴求力は備わっている。

基本的に、主人公は逡巡するばかりのダウナーな芝居を、主人公の妹(早野久美子)と主人公に横恋慕している空手の先生(下元史郎)がアッパーな芝居を見せてくれる。闇組織のトップがインポという設定もイカしてる。志麻いづみの婀娜っぽさは言わずもがな。

女優に対する恥辱プレイは、スタンダードな緊縛行為がメイン。妹の逆さ宙吊りは圧巻だが、主人公は縛られたままで弄り回されるだけ。バイブ責めはあるけれど、蝋燭責めや浣腸はやらない。SM映画の紋切り型を過度に期待すると肩透かしを食らうので要注意。
原作は知らないが、あの団鬼六先生原作の映画との事で鑑賞したが、自分には映画作品としては響かなかったかな。

端的に言うと団鬼六ワールドの展開が弱い。縄の世界のディテールが不足しており、完全にそこら辺に出回っているのピンク映画の類となっているのが残念賞。

とはいえ、特筆すべきは当時の日活ロマンポルノがバリバリだった事もあり、撮影はじめとするテクニカル面や女優さんのクオリティは高い。

まあこんなニッチな映画を観て様々な角度から当時の時代背景等を考察するのも一興かと。