おはる

エンター・ザ・ボイドのおはるのレビュー・感想・評価

エンター・ザ・ボイド(2009年製作の映画)
3.8
「つまり"死"は究極のトリップなんだ」
警察に射殺されたヤク中の魂がTOKYOの街をトリップするお話。

新感覚のアトラクションムービー。四つ打ちビートにチカチカしたカラフルな文字が踊る冒頭からサイケ全開!
そして本編でも麻薬常用者の視点からのDMTによるトリップ体験、それよりも強烈な死後のトリップ体験を味わうことができる。

鑑賞後は愛する妹のためとはいえ異国の地でヤクの売人になって遊び呆けた上、その妹の人生まで台無しにしたジャンキー風情が都合よく輪廻転生してんじゃねーよ!って思ったのだけれど、監督のインタビューを見る限りどうやら読み違えていたらしい。それを踏まえての最後の"THE VOID(無)"にはなるほど納得。全ては無意味だ、という監督からの皮肉を込めたメッセージだった訳ですね。

ラスト20分間、ラブホの各部屋を俯瞰で巡るのぞきツアーは色んな人の色んな性の形が垣間見れて人間って汚くて美しいなと思いました。
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