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英国式庭園殺人事件のrebのレビュー・感想・評価

英国式庭園殺人事件(1982年製作の映画)
3.4
1694年の英国南部ウィルトシャーのある屋敷。画家のネヴィルは、不在の主人が戻るまでに屋敷の絵を12枚完成させ、しかも夫人との密会付きという依頼を受ける。
公開当初イギリスではあまり成績が奮わなかったらしいが、仏紙はピーター・グリーナウェイ監督のことを“映画界のしゃれ男“だと言い、フランス人は特に本作を楽しんでくれたらしい。分かるなぁ。
お高くとまった英国貴族の下品さを嘲笑うかのような話運びと、ひだひだヒラヒラのボリュームたっぷりの衣装と、盛り盛りのカツラでなんだかお腹いっぱいになる映画体験。
ヨルゴス・ランティモス監督は「女王陛下のお気に入り」で本作の衣装を参考にしたと話している。
夫に虐げられてきた夫人は娘と結託してある計画を立てる。
自惚れ屋で欲望のままに振る舞っていた画家は、まんまと彼女たちに利用され種馬にされて、残酷にあっさり捨てられる。
監督は比喩としても現実としても“濡れ衣“についての物語だと言っているが、犯人は誰か?と頭を悩ませるよりも、女性たちのしたたかさに拍手を送りながら、コルセットを鋏で切るといった官能に身を委ねたい。
ボリュームあるスカートの中で陰謀は行われる。
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