ポン・ジュノ、S・クレイグ・ザラー、ギャスパー・ノエらも影響を公言する1966年の超カルト怪作。
同時期のベルイマン『仮面/ペルソナ』、勅使河原宏『他人の顔』、ポランスキー『反撥』なんかを想起させるモノクロのソリッド極まりない映像表現の数々と不条理展開。ソウル・バスのタイトルクレジットもキレキレで、やたらとおっさんの“顔”がクローズアップされたりするのはこれまたザラーも愛するカサヴェテス『フェイシズ』を彷彿。
中盤のロック・ハドソン演じる主人公の酩酊ぶり、謎の集会のカオスっぷりは『荒野の千鳥足』や『神々のたそがれ』的で個人的には大好物。“別人になってもう一度人生をやり直せたら…”そんな多くの人が一度は考えるであろう願望の隙を鋭く突いた厭~な傑作。