つかれぐま

七人の侍のつかれぐまのレビュー・感想・評価

七人の侍(1954年製作の映画)
5.0
18.7.18 TOHO新宿#6
#4Kデジタルリマスター

菊千代は永遠のベストガイ

”活劇と云うものは、とかく、活劇のための活劇になり易い。しかし、人間を描く手をゆるめずに、壮大な活劇を組み上げられたら、どんなに素敵だろう。”

これは初公開時パンフに載った監督コメントだが、これが正に僕の想いの全て。これこそが映画館に通う理由だ。

5億点。
本作がなければ、「スターウォーズ」も「怒りのデスロード」もなかったと言えるのは自明。多くの「オマージュ元」シーンやキャラクターが発見できるのが楽しい。

ただし菊千代だけは話が別だ。
ルーカスやジョージミラー翁でも、翻案できなかった名キャラクターは、やはり稀代の名優三船が演じてこそなのだろう。平八、五郎兵衛、久蔵が凶弾に倒れたとき、誰よりも悲しんだのが彼であったその理由に思いを馳せずにはいられない。僕のオールタイムベストガイだ。

僕も年を重ね、数年おきに本作を見るたびに、感情移入先が勝四郎→菊千代→勘兵衛と遷移している。次はきっと与平や万造だな。
何はともあれ、これだけの得難い3時間半の体験を、たぶん収益性無視で提供してくれている東宝にも感謝。

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