このレビューはネタバレを含みます
スッキリした解決には至らないので、いい意味でも悪い意味でもモヤモヤが残る映画だった。
でもその考えに浸る時間もハネケ映画の醍醐味なのか。
落馬事故から始まる事件は子供達が起こしたのか。
おそらく子供達なのだろうけど、落馬事故の犯人はもしかしたらドクターが手を出していた娘や助産婦だったのかもしれない。
正確な犯人は出されないからそういった考えをする事もできなくはない。
大人だけでなく子供達にも二面生があって、子供に純白を求める大人達もそれぞれが穢れまくっていた。
牧師の息子が鳥を飼っていいか、死んだ鳥の代わりに差し出すシーン、ルディの姉に死について問うシーンは印象に残った。
この映画で純白だったのはこの二人と知恵遅れのカーリだけだったのだろうし、この子達も村の閉鎖的な環境で育つと変わってしまうのかな。
カーリはどこへ行ったのか、小作人、ドクター一家や男爵一家の家庭のその後は語られなかった為、その後あの家族達はどうなったのかはとても気になる。
戦争によって事件が有耶無耶になったことは救われないが、そのおかげで教師はこの村を離れることができて幸いだったのかもしれない。
戦争がそれだけの影響を及ぼす事も考えさせられる。
語り部が教師の視点なので村の全てを知っているわけではないことで、触れられなかった部分に人間の怖さを感じた。
2024 21