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REX 恐竜物語のkanacoのレビュー・感想・評価

REX 恐竜物語(1993年製作の映画)
2.8
11歳の安達祐実が恐竜の赤ちゃんの母親に!少女と恐竜の疑似親子の絆、クリスマスの日のドタバタ冒険、そして家族の再生を描いたファンタジーアドベンチャー。作品全体から伝わってくる〈平成初期〉という時代感が懐かしい🥰ただファンタジー面はいいけどヒューマンドラマとしてはかなり荒っぽいかも 🙄💦(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

◆あらすじ◆
古生物学者の父と共に北海道の原生林へ探検に行った小学生の千恵は、不思議な洞窟でティラノサウルスの卵を発見する。研究所へ持ち帰った卵は、千恵の母親だが離婚で離れて暮らす学者の直美の協力もあり無事に孵化した。千恵は生まれた恐竜をREXと名付け母親代わりになって献身的に世話を始める。その甲斐もありREXはすくすくと成長。しかしお金儲けのことしか考えず乱暴に振る舞う大人たちに囲まれ、REXはどんどん元気を失くしていく。誰も信頼ができない千恵はREXを本当の母親竜の元へ返すことを決意し、クリスマスの日にREXを連れて家出をするが…。

❶安達祐実が恐竜の赤ちゃんの母親に!美少女×恐竜×クリスマスのファンタジーアドベンチャー

私が初めて劇場で見た映画はこの『REX  恐竜物語』なのか『Coo  遠い海から来たクー』なのか、はたまたそれ以外なのか…🙄❓とりあえず劇場で見た中で最も古い記憶の一群にいる作品の1つです。まだ11歳の安達祐実が主人公を演じています。安達祐実の代表作「同情するなら金をくれ!」でお馴染み『家なき子』が1994年~1995年なのでその1年前ですね!当時、本作はけっこう話題になったような気がするのですが、思い出補正だろうか…。原作はムツゴロウさん。確かCLAMPが漫画化もしていたような…🤔❓

両親の離婚により心を閉ざした少女・千恵(安達祐実)。ある日、古生物学者である父(渡瀬恒彦)の研究に付き添う形で北海道の原生林を探検していると、怪しい洞窟と中でティラノサウルスの卵を見つけます。卵を持ち帰った父娘は離れて暮らす母(大竹しのぶ)の協力を得て孵化に成功。千恵はその恐竜の子供をREXと名付け、母親代わりになって世話を始めます。愛情をこめて献身的に世話をする…それは自分を捨てた母親に対する対抗心でもありました。すくすくと育ったREXですが、やがてREXを使って大金を稼ごうとする欲しかない大人たちに囲まれ弱っていきます。REXを本当の母親のもとに返してあげたい…そう決意した千恵はクリスマスの日に家出を決行する…という物語かな。そこからは少女&子竜VS大人げない大人たちの逃走劇…追いかけっこです🤗

〈小さな女の子と恐竜の疑似親子の絆〉〈心を閉ざした少女の大冒険と成長〉〈両親の離婚のためにバラバラになった家族の和解と再生〉そして〈REXを金儲けにしか考えない大人たちの汚さ〉〈子供たちだけで悪い大人と戦うドタバタな冒険〉などを描いた、ファンタジーアドベンチャーといった感じです。

現代に蘇った恐竜と聞くと『ジュラシックパーク』的な作品が思い浮かびリアル寄りを想像しますが、どちらかというとオカルト・ファンタジー。ムーの伝説、光るクリスタルやスカル、ピラミッドパワー、モアイ像などそういう子供心をくすぐる分かりやすいオカルトによって世界観が演出されています。

❷作品全体から伝わってくる〈平成初期〉という時代感!

ジャケットを見ていただくと、なんとなく伝わるかなとも思うのですが…とにかく平成初期という〈時代感〉が伝わる作品です。

千恵を演じる11歳の安達祐実さんが可憐です。今の垢ぬけた子役たちとはまた違う、ちょっと古臭いイメージの美少女力、幼女力が抜群!笑顔も可愛いですが、REXが悪さをする度にする怒った表情が可愛い~😍幼い表情なのにクールで冷たい、ちょっとSっ気なまなざしがGOOD!

千恵の衣装は何回か変わりますが、ザ・平成初期のオシャレ・トレンドな女子服って感じがすごくする…🤔母と娘の絆の象徴となっているアイテムはミサンガ!昔流行りましたね~。切れたら願いが叶うっていう腕に巻く刺繡糸みたいなもの…。プロミスリングとミサンガって違うのでしたっけ?🤔

冒頭、突然差し込まれる長々とした渓谷の映像も印象的でした。「…何タイム?」と思ったら合わせて聞こえてくる米米CLUBの音楽。自然だけが延々と映されるので「まさか『ヒューマン・ハンティング(一つ前に見たションボリ映画)』の再来😨!?」と不安になりましたがご安心なことにOPでした…🤣米米CLUBは挿入歌としても使用されていて、それもまた平成初期感が強かったです。

なお、REXのビジュアルについては当時の評価は分かりませんが、今となってはオモチャにしか見えません。動きがとにかくぎこちない。でもそのオモチャ感がかえって可愛かったりします。この作品自体、ストーリーも演出も現実性も“めちゃめちゃ”でとにかく力技で進めていくっていう感じなので、逆にこれくらい〈物〉っぽい方が雰囲気とマッチしているのかもしれません。

❸ファンタジーの面は良いがヒューマンドラマの面はあまりに無理がある気が…(辛口注意)

平成初期を感じるのは母親像についても同様です。子育ては母親がするもの。仕事をしたいなら女は結婚すべきじゃないし子供も産んではいけないというのをハッキリと明言。今の時代だと夫と妻、母と子の確執の描かれ方は変わってくるかもしれません。

ただ…そういうのを抜きにしても、仕事と子育ての優先順位という次元ではなく千恵の母親はまるっきり育児放棄をしているので、昔だからどうこうという段階ですらない気もしますが…🤔父親も父親で、まるで唯一まともな親のように描かれていますがそれも含め「は😑?」って感じでしたし…。

特に、事件がひと段落して家族がまとまった後のエピローグ(=全員成長したはずの後日談)にて、REXとの冒険を経て成長した千恵が登校拒否していた学校に通い始めたことを、一緒に暮らしているのに父親は一週間たっても知らなくて「学校に行きなさい」とお説教している辺り(それで「もう1週間前から行っている」と千恵に言われて褒める)「親としてそんなことある???」って思ってしまいました🤔

そういうわけで母親と娘はずっとギスギスしているのですが(娘は母に捨てられたと理解しているので)、それが突然終盤になると謎に心変わりして、あっさり和解し、アットホームな感動路線へ突っ走る様は、もうちょっと描き方がなかったのかい??と納得できません。また、父親は母親に捨てられた結果千恵が自閉症になったと母を攻めているのですが “自閉症”ではない気が…(それともこの時代にはこれも自閉症として診断されていたのか🙄?)ファンタジーの面は良いのですが、ヒューマンドラマの点では無理やりな展開・解釈では…というものが頻発するシナリオでした。

🎄🦖🐝「正直、ストーリー展開は粗っぽすぎて大人になった今見ると思いの外耐えがたい…🥺一方で美少女とキュートな恐竜による、コミカルでちょっとしたアクション性もある冒険や、VFXも使った(安っぽくも)オカルトじみたエフェクト、クリスマスの街並みのワイワイ感は子供心には見て楽しいのではないかと思います。実際、子供だった頃の初見時はストーリーよりも視覚重視でその雰囲気を楽しんだ記憶があります😀✨平成初期を思い出す感じも含め“懐かしさ”では大人になった今も楽しめた作品でした🤗」
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