Aix

2046のAixのレビュー・感想・評価

2046(2004年製作の映画)
3.5
欲望の翼、花様年華に続くウォンカーウァイによる60年代三部作の最終作。SF小説と60年代の香港を舞台にした恋愛ドラマ。

村上春樹の小説のモノローグと大量の美男美女をごちゃごちゃに混ぜた作品です。今まで見てきたウォンカーウァイの作品の中でも今作のストーリーが一番ごちゃごちゃしています。一応メインヒロインはチャンツィイーのキャラクターなんだろうけど、正直彼女のシーンはガッツリ切っても良かったです。
今作は制作に5年もかかったそうで(明らかにトニーレオンが老けてる。。。)余分な素材を撮り過ぎていたことがすぐに分かりました。ウォンカーウァイ作品の全部に共通しているけど、お洒落なカットを撮る割には編集が下手過ぎます。しかも今作は彼の作品の中で圧倒的に映像、セット、衣装が微妙です。欲望の翼と花様年華は技術面が素晴らしいんだけど、今作はその2作に比べるとかなりレベルが落ちています。

唯一今作で良かったのが亡くなってしまったレスリーチャンへの愛が強く込められていることでした。悲しいことですが、レスリーチャンの自殺が結果的に今作を欲望の翼と花様年華の繋がりを強くしていた気がします。

色々書いたけど、ウォンカーウァイのファンで、欲望の翼、花様年華が大好きじゃない限り、今作はスルーしても良いでしょう。
Aix

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