mikoyan358

早春のmikoyan358のレビュー・感想・評価

早春(1956年製作の映画)
4.0
小津安二郎の唯一無二の手腕にかかると「不倫」がテーマであってもこんなに嫌悪感なく(笑)上品で味わい深いエピソードになってしまうのか...いつもだと家族の中心に定点カメラを置いたような描写が多いところ、この映画では噛み合っていない夫婦のドロッとした関係、遊ばれている女性の嫉妬心、野郎どもの変な連帯感などそれぞれの心理を外側から客観的に捉えるような構成で、小津映画としてはかなり異質に感じる。でも、時代がいくら変わっても変わらない「心」を描いている点で、60年経っても「新鮮」であることは間違いない。
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