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オシャレでポップでパンクで楽しいSFアクション映画だ。
イギリスのコミックが原作らしい。
1995年公開と意外に古い事に驚いた。
今ほどお手軽にCGが使えなかった時代だ。
女性が主人公のアクション映画もほとんどなかった。
しかし、そういうハンディキャップを抜きにしても面白い作品だ。
今の私たちからすれば、ストーリーが特段目新しいとか斬新だとかは感じないかもしれないが、とにかく何故か面白い。
ロリ・ペティ扮するタンクガールことレベッカのキャラクターが実に素晴らしい。
肝が座っており、根性があり、強い。
ユーモアもありセクシーでワイルドだ。
特にユーモアの部分は「デッドプール」を彷彿とさせるものがあって良い。
ロリ・ペティのアドリブがかなり入っているらしい。
物語は水・電力公社という悪の組織と我らがタンクガールが闘うというものなのだが、この水・電力公社、実は原作には一切登場しないらしい。
映画オリジナルの敵役なのである。
その造形はショーン・コネリーやロジャー・ムーアの頃のスペクターを想起させるものがある。
ボス役のマルコム・マクダウェルは、さながらブロフェルドだ。
敵の秘密基地の感じなど、既視感を感じるほど、往年の「007」っぽいのだ。
1995年当時であれば、もっとオシャレでナウいセットが作れたはずだ。
(ナウいて・・)
多分、これは原作のイメージを尊重すると同時に、「007」の事も意識していたと私は睨んでいるのだ。
知らんけど。
もっと前衛的で理解しづらい作品かと思いきや、意外と取っつきやすい作品だった。
女性監督による女性が主人公のアクション映画だ。
しかし、意外とお下品な描写もあって私はほっこりしたのである。
(なんかおかしいよ)
さて、ナオミ・ワッツだ。
実はこの作品、全く無名な頃のナオミ・ワッツが、タンクガールの相棒のジェットガールとして出演しているのだ。
非常にシャイなメガネ女子という役どころである。
「ロッキー」のエイドリア~ンを彷彿とさせるシャイぶりだ。
私の大好きなタイプである。
実は私は、シャイな女性も、気の強い女性も、普通ぐらいの女性も大好きなのだ。
(・・でしょうね)
監督やロリ・ペティのインタビューを見ると、現実のナオミもかなりシャイだったらしい。
みんなにイジラれるほどシャイだったらしいのだ。
アカン、好きになってしまう。
惚れてまう・・・やろ。
今や大女優と言ってもいいナオミの初々しくも可愛らしい姿が見られるだけでも、価値のある作品だと言えるだろう。
是非とも、ご観賞あれ。