このレビューはネタバレを含みます
学校の中のヒエラルキーが登場人物のそれぞれの視点から描かれている。そこに突然と現れる恋愛の矢印がその構造を壊していく様が楽しい。個人的には男子視点での「カッコ良さ」とセールスの方法が異なるように描かれていて、そこが面白かった。
終盤、吹奏楽部と野球部から展開が始まっていくのか?と思ったところで終わってしまい、クライマックスを理解することができなかった。理解できるように作っていないのかもしれないが。屋上から人が飛び降りるように見えるシーンなんだったんだろう。
それでも、映画部がラストヒエラルキーの上にいる奴らをゾンビが捕食していくシーンはなんだか爽快感があった。
朝井リョウ作品の小説は数冊読んだことがあるが、この作品も含めて読者に対して「説明がないまま『構造』を与え、それを理解した頃に、その構造を意図的に破壊する」のがとても上手なのかもなと思った ミルクボーイがM-1取った時みたいな気持ちになった