LEONkei

わたしを離さないでのLEONkeiのレビュー・感想・評価

わたしを離さないで(2010年製作の映画)
3.0
昨年(2017年)ノーベル文学賞を受賞した作家〝カズオ・イシグロ〟が、2005年に発表した作品『Never Let Me Go』を映画化。

『必ず死ぬと分かって生きる。
あなた方の人生は既に決められています。』

誰もがこの世に生まれた瞬間から死に向かって人は生きなければならない。

しかし、この物語の子供達はそれとは少し違う。

同じ人間として生まれながら徹底した健康管理の元に寮生活を強いられ、成人になったならば〝臓器提供〟をし自らの人生にピリオドを打たねばならない。

これは紛れも無いSF映画だがまったくSF映画と思わせない、生きる事の意味を考えさせ悲しくも切ない青春ドラマでもある。

自然に囲まれ緑豊かな寄宿学校〝ヘールシャム〟の風景は静かで美しいが、その学校の中で生活する子供達の運命を考えると命の存在が本当に価値あるモノなのか問いたくなる。

感情を抑え込んだ〝キャリー・マリガン〟の愛くるしい表情が良く、異なる性格の〝キーラ・ナイトレイ〟との対比でより魅力的に感じた。

命を提供する者と命を提供される者の違いは何なのか..★,



※追伸
今日は熱さ凌ぎに仕事を後回しにし、4Kデジタルリマスター『七人の侍』を観賞。
クリアな映像と音響によって新たに蘇り、見えないモノが見え聞こえないモノが聞こえるいわゆる活劇が復活した。
涼しさは凌げましたが、3時間27分は少し腰にきます。
まだまだ暑い日が続きますが、皆様おカラダにくれぐれもお気をつけください。
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