やや

ローマの休日のややのネタバレレビュー・内容・結末

ローマの休日(1953年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

『短い時間、夢のような時を過ごして、でも最後は日常に戻っていく』という設定が好きかもしれない。
といっても、ディズニープリンセスのように最後は華々しく結婚して幸せに暮らしました!!って展開だったとしてもこの映画は結局好きだと思うけど。(なんなの)

アン王女の気品溢れる美しい姿を見て「えっ…これ…役だよね?本物の王女様?」と混乱してしまった。
かと思えば1人の女の子になればとても可愛らしくて素晴らしい。

アンがベッドから転がり下ろされるとか、秘密をバラしかける友人が何度も転ばされるとか、バイクで暴走して大騒ぎとか、写真を撮ったことをごまかすためにポーズを決めるとか、クスッと笑えて、昭和の少女漫画で見たような展開がたくさんあって少女漫画好きにはたまらない♡

カメラマンが王女に写真を渡すシーンが大好き。
「自分の正体はカメラマンで、撮影していた。だが売らないし秘密もバラさない」と言葉なく語り、アン王女は何度もこの写真を見て一生この日の出来事を忘れず胸に秘めて強く生きていくんだろうな、というような色んな想像がこの『ライターを見せて写真を渡す』という動作に凝縮されている。
ラストにジョーが車で送った時や、インタビューが終わり1人去る時のカメラワークも、もしかしてアンが追いかけてくるのでは?と期待させてくれる。だが来ない。
ジョーもきっと心のどこかで願っているのかもしれない気持ちを表しているようで切ない。好き。

余韻に浸れる良い作品。
最高でした。また観ます。
やや

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