Wacky55

ローマの休日のWacky55のレビュー・感想・評価

ローマの休日(1953年製作の映画)
4.2
2024 1本目

大変遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます!
今年も一年よろしくお願いいたします。

それでは、新年一発目に選びました作品は、1953年に公開された名作、ローマの休日。オードリーヘップバーンの名を馳せるきっかけとなった作品でもあります。

総合評価: 4.2

演出/脚本等: 5.0
もう何も言うことはない。ストーリー構造または流れはシンプルであり、そして王道な展開。かなりバランス良く、くっきりとチャプター分け[身分の違う2人の男女が出会い、恋に発展、葛藤そして別れ]をしており、そのうえ、ロマンティック、コミカル、切なさ、そしてかっこよさの要素をうまく取り入れており、非常に見やすかったです。

個人的には、コミカルな演出な所が結構好きでしたね。例えば、自宅のアパートに連れて帰った若い女性の正体がアン王女だと知った時の動揺を隠せないジョーの表情を含めた反応。他にも、王女のスクーターの暴走やビンとギターで王室のボディガード達にアグレシッブ叩きつける王女の姿は必見です。

そしてストーリー終盤、色々と解釈を試みましたが結局切ないというのが個人的な結論でした。ジョーを焦点に見れば、一緒にいた際はあどけなく、純粋な印象が強かった王女が、記者会見で再会した際は、王女としての覚悟を決めた姿勢と凛とした表情へと変わり、その姿を見たジョーの表情は穏やかで彼女を温かく見守る優しい表情にも見えますが、もうあの時の王女もしくはアーニャではない、もしくは王女[アーニャ]は王女になったんだなと納得する表情にも見えて切なかったですね。

改めて幅広い世代の人々から愛されている作品であるということを改めて認識させられました。

演技等: 4.3
まず、好奇心旺盛であどけなくそしてお転婆な少女さと上品で凛とした王女の佇まい[例:表情や立ち振る舞い]を持ち合わせたオードリーの演技が素晴らしかったです。特に最後の場面でジョーを見つめる、哀愁がありながら凛とした表情のオードリーの演技はやはり惹かれてしまいましたね。他にも、オードリーとグレゴリーペックとの掛け合いもとても印象的でした。グレゴリーペックは流石でしたね。安定した演技でした。

カメラワーク等: 3.8
シンプルなカメラワークではありましたが、long shotによるスクーターシーンは、視聴者もローマの古い街並みの雰囲気を感じさせるほどの素晴らしいショットでもありましたし、終盤での印象的な場面である王女のclose up shotは、王女としての覚悟とジョーに対する想いを見事に強調してサポートしており、とてもこころに残るほど素晴らしいカメラワークでした。

編集等: 3.7
Editingもカメラワーク同様シンプルではありますが、物語終盤の記者会見でのEditingはでのショットもしくはリバースショットによるアン王女とジョーが見つめ合うは場面は切なさを強調していてとても印象的でしたし、Sound editingに関しては、会見後、広間を一人だけで歩くジョーの響き渡る足音が非常に鮮明であり、何か王女に対する思いや心情が表現されているように感じました。

美術/衣装等: 4.3
王女がまとった高貴なローブデコルテのドレスからアーニャのシンプルなブラウスサーキュラースカーxグラディエーターサンダルの衣装、そして、ヘップバーンカット(イタリアンボーイカット/ショートカット)やはり印象に残りますね。

ご精読ありがとうございました。


1月1日に発生した能登半島地震により被害に遭われた皆様に対して、心よりお見舞い申し上げます。皆様の安全と、被災地の1日の早い復旧、復興を心より申し上げます。
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