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肉体の門のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

肉体の門(1964年製作の映画)
3.3
再鑑賞
鈴木清順監督の野川由美子3部作の1作目

終戦直後、占領下の東京の焼けビルに徒党を組む娼婦たち(パンパン)
彼女らが貪欲に生きる様と、そのひとり・マヤ(野川由美子)が"官能"を知るに至るドラマ

『金を貰わずに男と寝るな』が鉄則の娼婦グループ、せんを筆頭にマヤ、お美乃、お六、町子
反則がバレると折檻の上に丸坊主にされ裸に剥かれて見世物&追放という、リンチがエグい

彼女たちにとって商売は自衛と生存のための手段、秩序は必要、タダで男と寝る女は商売の破壊者であるという了知
また敗戦した日本を、というか自分達以外は全て"呪う"という感情のケリがあっての連帯

そこに復員後は食い気と色気の生存欲全振りの野生の復員兵・伊吹(宍戸錠)が加わったら破綻の匂いしかしない

監督らしい唐突に異空間になる演出(美術は木村威夫)
突然のサーチライト(伊吹とせんの初対面時)
彼女達のイメージカラーを背景にそれぞれが伊吹を語るシーン、何処か戦隊物っぽい
赤→せん、緑→マヤ、紫→お美乃、黄→お六(各々このカラーのワンピースを着て商売してる)町子は着物で黒(戦争未亡人、彼女達の中では異質)
伊吹が牛一頭を盗んで捌いてみんなで食う場面は、今なら絶対クレーマーがわくだろうな……


町子(冨永美沙子)の色気が凄い「女はね……男よ……」みたいなタイプのじっとりした沼らせ系のハマり役
ひん剥かれて折檻されてる場面の淫靡さ、陰影が余計にエロス
マヤ(野川由美子)は冒頭のモンペ姿のおぼこさからの一転し娼婦への変貌のギャップに驚き
そして彼女は折檻で吊られるが体の陰影がエロ際どい
伊吹(宍戸錠)のGIより逞しい体型は一体何事なんだwww

公開された1964年は終戦から20年目