かなり前にCSか何かの放送で観たときの印象として、ものすごく面白い映画だったというのが強く残っていたけど、久々に観てもやっぱりものすごく面白かった。
時代設定がほぼ同じ『ゴジラ-1.0』に足りなかったのはこの勢い、演出力、人間味!
いや、ゴジラの姿こそ無いが、そこに否が応でも襲いかかる〝戦争の残影〟そのものがゴジラなのではないか。『ゴジラ-1.0』に全く出てこなかったMPもたくさん出てくる。そう思えば野川由美子もどことなく浜辺美波に似ているような気さえする。つまり本作も立派なゴジラ映画なのである(暴論すぎる暴論)
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鈴木清順の映画、それほど観ていないけれど、本作は清順作品の中ではかなりまともな作風なのかもしれない。後の「浪漫三部作」といわれる作品群と合わせて、ぼんやりと「押井守感が制御された押井守作品」と「押井守感を解き放った押井守作品」との関係性のようなものを連想した。これもまた暴論かもしれない。