Kuuta

ゴジラの逆襲のKuutaのレビュー・感想・評価

ゴジラの逆襲(1955年製作の映画)
3.2
初代の封切りからわずか半年後の1955年に公開された2作目。

怪獣プロレスのフォーマットが出来る前なので、両者ひたすら首を攻める生々しい構図が新鮮。アンギラスの敏捷性を表現したかったのだろうけれど、早回し(撮影ミスらしい)でゴジラも一緒に早く動いてしまっており、ケレン味は物足りない(効果音は迫真のままなので、動きとのミスマッチ感が不思議な味わいになっていたとは思う)。アンギラスのやられっぷりが酷すぎて泣ける。

核と人間という初代のテーマは大幅に後退し、娯楽作への移行期という感じ。ダンスホールや宴会は本筋とはあまり関係ないし…。政府と科学者がメインだった前作から、商社の人間と大阪を舞台に移したこと自体が象徴的。ただ、主人公月岡とゴジラの関係性が弱い。小林の死まではゴジラに関わる動機がほとんど見当たらず、ドラマとして物足りない(なぜかギャレス版ゴジラを思い出す)。最後の倒し方も「民間人と国の力の組み合わせ」というアイデアは良いが、空爆の繰り返しというのはちょっと地味。

BGMのない灯火管制の大阪と闇夜を飛ぶ戦闘機の雰囲気、都市破壊描写はさすがにカッコよかった。63点。
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