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ゴジラ2000 ミレニアムのotomisanのレビュー・感想・評価

ゴジラ2000 ミレニアム(1999年製作の映画)
3.7
 映画界に氾濫したゴジラを避けて通ってきたがこの作品では主演が村田雄浩という。ゴジラに匹敵する役者は村田ただ一人ということか?その点が面白そうで見てしまったが、いったいこの日本には議会や米軍は存在しないのか?世界に人類は日本で日本人しかいないのか?ゴジラ氾濫の末、日本人=人類はもはやゴジラ慣れしてしまったのか?全編あまりの謎だらけに開いた口が塞がらない。そこに投入されたダブルヘッドの宇宙人?慣れた末にゴジラでは刺激不足というわけだろう。ゴジラ出現を人類への復讐と学者連が恐れる中、しゃらくさいチンピラ星人を血祭りにあげるゴジラの余裕ぶりは物足りないくらいだ。しかし、ここに費やした100分が世紀末の本題の序章に過ぎないことに気づくには時間が十分ではないようだ。村田先生が恐れる通りゴジラの主敵は常に人類とその向かう道程である。阿部副長官の血祭と最後の1分の業火は世紀末の破壊の始まりに過ぎないと心得るべきだろう。映画がそこで終わるのは、そののちを記録するいかなるすべも日本=人類に残されなかったという暗示である。もっとも四半世紀も後にこんなことを言っても、どっこい生きてるじゃねぇかと笑われてしまうだろうが。
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