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心霊写真のBew666のレビュー・感想・評価

心霊写真(2004年製作の映画)
3.6
今話題のホラー映画「女神の継承」の監督の処女作にあたる作品。一夜限りのリバイバル上映イベントで見てきました。

本作の公開当時の2004年は、ホラー映画といえば日本とまで言われるほど、日本のホラー映画は世界から注目されていましたが、その当時にこの映画を見た場合は、近年で1番怖いと言っても、大袈裟ではない怖さはありました。その怖さの大事な要素となっているのが、この映画の日本版タイトルになっている心霊写真です。この作品に出てくる心霊写真の生々しさは凄まじく、派手さはないですが、気持ち悪さのある物ばかりだったり、またこの作品のために作ったであろう心霊写真も、本当にありそうな物ばかりです。特に複数の写真をパラパラ漫画の様にめくると、霊が部屋の中を彷徨っている様に見える写真群は面白い仕組みだなと思いました。それらだけでも怖さを感じるには十分で、本作の雰囲気を壊さず、しっかりと恐怖を感じる心霊写真になっていたのが良かったです。

恐怖演出もかなりJホラーを意識した作りだなと思いました。幽霊の見せ方も、わざとピントをぼかし、はっきり見えない様にしていたり、ストーリー展開も『リング』の様に、展開していきます。特に「幽霊のために何かをすれば怨念もなくなる」という考え方は、『リング』の「貞子を弔う」という物に似ているなと思いました。幽霊自体のビジュアルも、『リング』の貞子と『呪怨』の佐伯伽椰子を混ぜた様なビジュアルになっており、Jホラーが与えた影響を、要所要所で確認できる事ができました。

しかし、やはり今見ると、ジャンプスケア要素の多さや、主人公への感情移入のしにくさが気になりました。傑作ではないですが、良作ではあるホラー映画でした。

🙇🏻‍♂️読んでいただきありがとうございました🙇🏻‍♂️
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