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北のカナリアたちのmarutabatsuoのレビュー・感想・評価

北のカナリアたち(2012年製作の映画)
3.5
関係者の視点を変えながら立体的に物語の輪郭を紡いでいくスタイルは湊かなえ原作の真骨頂。港かなえ臭がやや鼻に付きすぎるきらいはあるがまずは成功している。

殺人事件が鍵になっているが、ミステリー的には特段謎はない。北の果ての島、寒村に育った同級生たちそれぞれが抱えてきた想いが語られると、かつてと今を結ぶ真実の物語が浮かびはじめ、やがて一つの姿として映像化される。悲しくも力強いラストへと繋がるあたりは見応えあり。

映像は木村大作によるもので、さすがに凄いとは思うが、光の使い方含めあまりにも力入りすぎでちょっとうるささも。

礼文島に遊びに行ったので記念鑑賞。