天豆てんまめ

北のカナリアたちの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

北のカナリアたち(2012年製作の映画)
2.3
湊かなえ原作×阪本順治監督×木村大作撮影と布陣は揃っているのだが、、、サスペンスとしても、ヒューマンドラマとしても、何とも突き抜けない。

離島(利尻島、礼文島がロケ地)を舞台に分校で合唱をする子供たちと教師の吉永小百合。ある時、子供たちの一人が海に落ち、助けようとした夫が亡くなって、吉永小百合は島を去る。子供たちにもトラウマが残り、それから20年。子供たちの1人が事件を起こし、彼らがまた繋がり始めるといったところ。

吉永小百合を囲む、夫の柴田恭兵と恋仲になる仲村トオル。
年齢差がかなりあるはずだが、吉永小百合が若く見えて、
そこはまあよしとしましょうか。

若手は宮崎あおい、松田龍平、満島ひかり、森山未來ら、豪華演技陣が出ているのだが、全ては吉永小百合の映画を盛り立てる為に、囲んでいるように見える。ただ、吃音を抱きながら、闇にもがく森山未來の演技はやはりうまい。

若手の演技のリアリズムを、吉永小百合という虚構が打ち消しているように思えるのはなぜだろうか。小百合様の為の映画という一点に収束しているからなのかもしれない。

「剱岳」の監督でもある撮影の木村大作が捉える雪景色はとても美しい。