あかっか

イントレランスのあかっかのレビュー・感想・評価

イントレランス(1916年製作の映画)
5.0
2023_062

単純に映画としての素晴らしさに

感動と恐怖を覚えた


ひと月ほど前だろうか?中古DVD屋さんで『ヴィデオドローム』を買ったと書いた。その際、本作のDVDも購入していた。その時は『バビロン』のことなど頭になかった。昨日『バビロン』を観て、直ぐにこれを観なくては!と。これは映画の神の仕業だと思いたい。

『バビロン』を観た直後なので、純粋な見方は出来ていないと思う。あのシーンの裏にはあんなことがあったのか、などとバビロン編を観ながらニヤリとしてしまう。

しかし、次第に本作の凄さに背筋が凍る。まるで全てが真実、ドキュメントの様に感じられるのだ。感動と共に恐怖を感じた。

169分の大作。しかもサイレントだ。なのにどこにも緩みがない。4つの時代の不寛容を描き、壮大なスケールで悲劇的な結末へ向かう。

ラスト20分は本当に呼吸を忘れるほどカタルシスに溺れた。圧倒的だった。これがアメリカ映画の父と呼ばれる監督の作品か!

当時の観客はこれを観てどう思ったのだろうか。

DVDには淀川長治氏の解説も収録されていた。5分ほどだが本作を語る淀川氏の興奮する様は、まるで自分を映す鏡の様だった。

全てを理解するには圧倒的に知識が足りないと思うが、少なくとも本作の凄さの片鱗は受け取れたと思う。

本作を生きているうちに1度は観ようと思ったことがあるあなたにオススメします!
あかっか

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