2023_062
単純に映画としての素晴らしさに
感動と恐怖を覚えた
ひと月ほど前だろうか?中古DVD屋さんで『ヴィデオドローム』を買ったと書いた。その際、本作のDVDも購入していた。その時は『バビロン』のことなど頭になかった。昨日『バビロン』を観て、直ぐにこれを観なくては!と。これは映画の神の仕業だと思いたい。
『バビロン』を観た直後なので、純粋な見方は出来ていないと思う。あのシーンの裏にはあんなことがあったのか、などとバビロン編を観ながらニヤリとしてしまう。
しかし、次第に本作の凄さに背筋が凍る。まるで全てが真実、ドキュメントの様に感じられるのだ。感動と共に恐怖を感じた。
169分の大作。しかもサイレントだ。なのにどこにも緩みがない。4つの時代の不寛容を描き、壮大なスケールで悲劇的な結末へ向かう。
ラスト20分は本当に呼吸を忘れるほどカタルシスに溺れた。圧倒的だった。これがアメリカ映画の父と呼ばれる監督の作品か!
当時の観客はこれを観てどう思ったのだろうか。
DVDには淀川長治氏の解説も収録されていた。5分ほどだが本作を語る淀川氏の興奮する様は、まるで自分を映す鏡の様だった。
全てを理解するには圧倒的に知識が足りないと思うが、少なくとも本作の凄さの片鱗は受け取れたと思う。
本作を生きているうちに1度は観ようと思ったことがあるあなたにオススメします!