これが100年以上前の映画史に残る金字塔か...イントレランス＝不寛容をテーマに異なる時代での人々の虐待や迫害を描くが、正直なところ話の盛り上げ方も今一つ感情を揺さぶらず、何度も観たい映画か？と言われると首を縦に振れる自信はない。しかしながら「異なるストーリーラインを交差させながら描く」という21世紀もなおよく使われる技巧、おそらく100年前の映画では空前絶後の新技術だったであろうクローズアップなどの見せ方の巧さはこのうすぼんやりとした映像の中でもはっきり伝わってくる。この映画を頂点とした映画の子孫のツリーが広大に根を張っているのだろうと思わせる、映画史を知るという意味合いでは観ておかねばならない一本。
