タコさんウィンナー

潮風のいたずらのタコさんウィンナーのレビュー・感想・評価

潮風のいたずら(1987年製作の映画)
3.7
金持ちすぎる実家の教育方針故か性格の歪んだセレブ女が、記憶喪失になったあげく大工に騙され貧乏一家の妻にされてしまうサイコホラー映画……!(本当はラブコメ映画です)

全体的にはまとまったおもしろいラブコメ映画になっていました。登場人物全員が変化していくタイプのいい映画です。設定も、とばしてて結構好きでした。

ただちょっと終始ひっかかった点が………。

最初の10分くらい、しつこいほど「この女マジ性格悪りぃな」描写が続きます。なぜかと言えば、このあと尋常じゃないくらいひどい目に合うから。「こいつならこんな目にあってもしょうがねえ!」と思わせるための布石を打っていたわけですね。
それにしても他の登場人物たちの嫌な奴っぷりにドン引きしてしまいました。記憶喪失になった女を夫は見捨てます。大工は子どもたちがやんちゃすぎて手に負えないので母親を探していて、女を騙して連れてきます。そして出た「おれは新たな奴隷を手に入れた!」「また代わりの人呼んでくる?」などのいつの時代の男女観なの……?みたいなヤバいセリフ。
正直ドン引きでした。記憶が戻らないように別のエピソードで洗脳していくパートはもはやサイコホラーに見えました。

後半、かなり巻き返します。実際感動するシーン、あります。ただ、よくなればよくなるほど、前半の印象の悪さがもったいなく感じました。せめて女は成り行きで大工の家に来ればなあ……とか。

ただ、これは人によって感じ方が違うと思うので、あくまで個人的な感想です。それをふまえておもしろい映画なので、見てみてはいかがでしょうか。