HiromiA

サッド ヴァケイションのHiromiAのレビュー・感想・評価

サッド ヴァケイション(2007年製作の映画)
3.6
「青山真治監督特集in仙台2023@フォーラム仙台」で鑑賞。
 物語は健次を中心に進んでいくけど、結局物語を仕切っていたのは千代子だったんじゃないのか。すべてを受け入れる間宮に拾われた形でその妻の座に落ち着いてはいるけど男に頼る気持ちはさらさらなく、男が付きまとうようになれば突き放すように別れていったのではないのか。そんな千代子が次に目を付けたのが健次で、健次の周りの女性たちを配して健次をコントロールしようとしているようだった。一方の男たちは何者かから逃げるばかりの逃亡者ばっかりだった。自分を捨てた母親への復讐心をどこかでこじらせてしまった健次はシャバに出たところで千代子の網に絡めとられてしまうんだろうなあ。ところで大人になった梢と梢を探していたシゲオはいいとして直樹や沢井そして秋彦はどうなったんだろう。直樹の出所を待つと言った沢井はきっと待っていたんだろうけどあの変な咳は肺の病気を連想させ長生きできないんじゃないかと思わせていたのでとても心配だったけど、梢が一人で現れたり彼女を探していたのが沢井ではなくシゲオだったのがその答えなんだろうか。まあ千代子による健次包囲網の女性陣とうまくやっていけそうな梢ではあったけど、いつまでも間宮運送にいるとも思えなかったので、その後の梢あるいはその後の田村兄妹が見たかったけど青山監督が亡くなった今ではかなわぬ夢になってしまった。
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