Habby中野

恋をするより得をしろのHabby中野のネタバレレビュー・内容・結末

恋をするより得をしろ(1961年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

マッドマックスくらいデカいダンプがきれいな団地にドンと出る。両津と寅さんと他いろいろを混ぜたみたいな小沢昭一のキャラを前面に出したコメディっぽいけれど、実は複雑な作りをしている。恋より得だと嘯く”ゲス”男が画策する中で恋をする、かと思うと突然冷めてその相手を叱責する。価値ある骨董品を多く持っていると始終触れ回るが、我々にもその真偽はわからない。恋を超えて疑念を倒して富者になったゲス男は、驕り高ぶる……わけにもいかず、仲間たちを大いに助ける救世主となる。メロドラマみたいな(主に音楽)哀愁の終盤に困惑しながら、なんかぐちゃぐちゃとした大団円を見て、彼のことを信用しなかった人々とともに、疑った自分もその輪には入らなかったことに、自然と反省を覚えた。
ラストカットは聖橋。
Habby中野

Habby中野