泣いた。はっきり泣いた。田西は汚いし不器用で最低なんやけど、ボーイズ・オン・ザ・ラン、愛に向かって真剣に、がむしゃらに走る姿がこの上なく美しい。
この作品が突き付けるのは紛れもない真実。KANのように「愛は勝つ」なんて大きな声で歌えたら良いけれど。愛が破れる、それもとてつもなく呆気なく破れる過程を見せつけられる。でもこれが現実。
分かっている。女性を物としか見ておらず、ぞんざいに扱うようなクソ男がいること。愛を知らず、そんなクソ男に簡単に心も体も許す女がいること。そして何より、どうあがいてもそんなクソ男以下の自分。分かっている。分かっているけど.........。
正直言うと、ちはるがちょっと苦手なタイプやったからある意味ハッピーエンドじゃね?と思いつつ、まあでも、それでも...ということなんやけど。
峯田和伸が素晴らしい。眼鏡掛けてたらほぼ岸田繁やし、銀杏BOYZのボーカルとして既に魅力的な男な感はあるけど、役者としての未熟さ、初々しさが田西という男のもつ純粋性を表現する上でとても上手く機能していた気がする。そして、流石ボーカル。声がとても良い。イントネーションも。
松田龍平はデキ婚してたような...まあいいか。原作にはこの映画の続きが描かれているらしいから読んでみたい。