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誘惑のアフロディーテの一人旅のレビュー・感想・評価

誘惑のアフロディーテ(1995年製作の映画)
4.0
ウディ・アレン監督作。

妻アマンダに秘密で養子マックスの実の母親を探しに彷徨う夫レニーの姿を描いたコメディ。
ギリシア神話時代の格好に扮した古代人がレニーの行く末を別世界から見守るというかたちになっていて、レニーの現実にも度々姿を現す。F・マーレイ・エイブラハムが古代の合唱隊の一員として出演している。顔面白塗りだが、特徴的な鼻のお陰ですぐに気付けた。
夫レニーに扮したウディ・アレンの演技スタイルは落ち着きがなく、お喋り、そして女に弱い、といういつも通りのもの。マックスの母リンダといい感じになりながらも、妻アマンダの存在がどうしても気に掛かる。アマンダ(ヘレナ・ボナム=カーター)も同様に別の男に心惹かれながら、しがない夫レニーに対する愛を再確認していくのだ。ギリシア神話で度々描かれる悲劇的運命を全て笑い飛ばそうとする態度が本作に感じられる。人間が辿る運命はもっと可笑しく、滑稽なものなのだ。
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