ちろる

誘惑のアフロディーテのちろるのレビュー・感想・評価

誘惑のアフロディーテ(1995年製作の映画)
3.9
喜劇と悲劇を小気味よく見せるウディ・アレン節炸裂のシニカルコメディ。
子どもを作らない主人公夫婦をレニーとアマンダを、ウディ自身とヘレナ・ボナム=カーターが愉快に演じ、それと並行して彼らの人生を面白おかしく語るギリシャ神話の演劇がウディらしい遊び心に溢れている。
夫婦仲はどんどん冷め切っていく一方で、養子として引き取った息子ケヴィンが可愛くて可愛くて、レニーはこっそりケヴィンの産みの母親を探そうとするのだが、見つけ出したケヴィンの母親はちょっとお下品なジョークが好きな娼婦。
このミラ・ソヴィノ演じるリンダがキュートで言動一つ一つに目が離せないのもこの作品の魅力の一つ。
人生思うように上手くいかないし、綺麗事だけでは済まされないけど、みんながみんな少しずつ優しさが溢れててその事が万事オーライな結果を生み出すこともあったりするんだよっていうメッセージが伝わってくる。
衝撃のラストシーンはなんともシュールな話なんだけど、まぁいいか!と思えるから不思議。
みんなのパズルがうまくハマって、笑顔で穏やかにそれぞれの幸せに向かって歩けるならプロセスは間違ってても許し合える、そんな心にゆとりのあるこんな世界はいいなとこれを見て思ってしまいました。
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