おたしん

ディファイアンスのおたしんのネタバレレビュー・内容・結末

ディファイアンス(2008年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ユダヤ人のストーリーでも森の中で生き抜いたってのは見たことなかった。
いつ何時も安心できない状況下での生活は終わりが来ることを願って生きるしかないよね…。

反抗して戦うべくそして共に生きるべく集まった彼ら。
同じ境遇の人たちが協力し合うのは分かるけどこんなに集まってくるものなのか。
コミュニティは大きくなり指揮する者が重要になる。
ルールも必要になるけど人が増えるごとに問題も増える。
この状況なのに仲間内で喧嘩してる場合じゃない。
射殺したトゥヴィアの判断は間違っていなかったと思う。

逃げているだけではなく常に警戒し敵が来たら戦わないといけない。
食料や武器の調達など考えないといけないことも多い。
そのコミュニティを統率できるリーダーシップって本当にすごいけど責任など抱えるものが大きすぎてプレッシャーだっただろうな。

生存者を全員助けるとか敵が来たら追い返すとか漫画の主人公並みに突き進もうとしていたけど成し遂げたんだから本物ですよね。
終盤では疲れ果て希望も失いかけで判断力が乏しくなりリーダーとしての決断に迷っていたところアザエルが前に出て声を上げていた。
弟の成長と兄の感謝の姿にとても感動した。

そしてなんと言ってもラスト。
必死の思いで川を渡り新たな地を見つけたのも束の間やはり敵は待ってくれない。
ただ生きたいだけの彼らに何故ここまで不幸が襲うのかと涙が出た。
女も子供も銃を持ちどうにか状況を打破しようとするも戦車に乗った敵兵は消えない。
そこで登場したズシュたち。
もう泣きました。
希望から絶望に落とされたけどまた希望を見せてくれました。
トゥヴィアとの抱擁は熱く固く強いものでした。

そこから仲間を増やしながら2年間も森で生きた彼ら。
そのおかげで今を生きている人もたくさんいるとのこと。
まだまだ知らない話があるんだなと思ったしこの事実を知ることができてよかったです。

辛かったシーンでいうと空撃のところ。
死ぬ気で作り上げた住処をいとも簡単に爆破していく。
ズルいとすら思ってしまった。
これが戦争なんだよね。
対ドイツだけでなくユダヤ人同士でも裏切りがあったりで嫌だった。
みんな生きるためだから何も言えないけど。

あとドイツ人を囲んで襲いかかるシーン。
あの男が悪いわけじゃないから可哀想とも思ったけど家族や大切な人の無念を晴らすために復讐できる相手がそこにしかいないってことだよね。
すごく複雑で難しいなと思った。


ジェイミーベルとミアちゃんが可愛い!
そしてジョージマッケイがキッズでビックリ!
あの不安気な顔に同情しまくってどうにか助けてあげてと願ってしまいました。
ダニエルクレイグが銃を持つと強そうにしか見えないよね。
どんな設定だか背景だかあるのか分からないけどさすがにダニエルクレイグとジョージマッケイが兄弟なの無理でしょ。笑
完璧に親子でした。
おたしん

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