「ジュリ with バックダンサーズ」というユニットを結成し華々しい活動をしていた
ミウ(平山あや)、よしか(HIRO)、愛子(サエコ)、ともえ(ソニン)
メインヴォーカルを務めたジュリが突然引退を表明してしまう。
残されたのはバックダンサー4人。
仕事もない崖っぷちの4人を支え、再起を図るマネージャーの茶野を若き日の田中圭さんが演じている。
ここからは田中圭さん目線のレビューとなりますことをご了承ください。
この映画の監督をつとめたのは、数々のTVドラマを手掛けてきた永山耕三。
「スローダンス」や「東京フレンズ」、ミュージックビデオ「イエスタデイ」などで圭さんを起用してきた、
「木村拓哉にも、織田裕二にもなれないけど、田中圭は田中圭になれる」と言ってくれたという圭さんの恩人でもある方。
この作品は永山監督の映画デビュー作でもある。
登場シーンからエアギターでノリノリの茶野くん。
珍しくちょっと茶髪でヤンチャな男の子といった印象があるが、内心は大好きなアーティスト(スチクレ)
のマネージャーになる事を夢見て芸能事務所に就職した茶野くん。
容姿だけでも業界人っぽくしようと茶髪にしたのかな?
勝手な予想だけど・・・
スーツ姿でフレッシュな茶野君役の圭さんは、失礼ながら今の色気や格好良さからはかけ離れていて、ポワンとしたあどけなさの残る柴犬のような容姿(ほめてます)
登場から僅かな時間で、怒鳴られる、胸ぐら掴まれる、叩かれる・・・巻き込まれまくっています。
その攻撃に対する受けの演技のバリエーション。
このころから持ち合わせていたんだなぁ。
陣内智則さんが演じるジョージ率いるおじさんバンド『スチクレ』と『バックダンサーズ!』2組のアーティストのマネージャーに抜擢(いや押し付けか?)された茶野君の奮闘劇がここから始まる。
実はこの作品・・・ちょい役でしょ。と期待せずに見だしたのだが、バックダンサーズ!の再起までの奮闘劇である一方で、茶野君のマネージャーとしての成長劇でもある。
見方を変えると、主役並みに出まくっているのである。
これは田中圭作品あるあるで、ちょい役と思ったら冒頭から活躍したり、主役を食う程のいい役ってことよくある。
(牛に願いを、包帯クラブ、シスターとかね・・・)
営業のため温泉旅館にやってきた、『スチクレ』と『バックダンサーズ!』と茶野君。
スキー場では雪合戦の標的に。
四方八方から飛んでくる雪玉、悪意のある雪のな投げ方、最後は飛び蹴り。
まさに、茶野君のちょっと不幸な奮闘劇でもある。
頑張れ茶野君。
こんな役だからラブシーンなんか期待していなかったのに・・・
やっぱりあるのが田中圭。
これもアルアルである。
田中圭を使ったらキスシーンは入れるべきという謎のマニュアルがあるのかしら。
スキー場で酔っぱらったミウ(平山あや)に振り回される茶野。
なぜマネージャーになったのか聞かれて真面目な顔で語る時、いつもと違う表情にドキッとする。
ウサギを買っていた茶野君。
「絶対最後まで面倒みるって約束してたのに、他にも楽しい事いっぱい出来てだんだん放っておくようになっちゃって・・・」
「ウサギって寂しいと死んじゃうってあれ本当なんだよね。」
誠実に淡々と語る茶野君は儚くて愛おしくて・・・
その会話の後ふざけてソリに乗って転んでからのキス。
キスする瞬間の横顔、弾力があり離れる瞬間に揺れる唇。
あどけないけれど魅力的なキスシーンだった。
(あのキスの瞬間に本物の雪が降ってきた。と雑誌で語っていた圭さん。
運命だと喜んでいたら、スタッフさんたちは「雪山だからそりゃ降るよ」と塩対応だったとか)
結局事務所に見放されて、解散することになった『バックダンサーズ!』
新人発掘のためダンスコンテストを見に行くことになった茶野君。
(木村佳乃さんとの共演も多いよね。何だか嬉しいツーショット)
舞台に突如現れた『バックダンサーズ!』の4人を見ている茶野君。
このシーンで突然色気が出る(私的感覚ですが)
あら!? この俳優さんこんなに恰好よかったの!?
これも田中圭あるある。
次見た瞬間には柴犬感あふれる茶野君に戻ってるんだけど・・・
舞台上のミウに「最後まで面倒みてよ。何とかしてよ」と言われた茶野君。
裏返った声で
「わかった僕が絶対なんとかする」
不器用ながらも愛をもってアーティストに一生懸命接している茶野君が本当に愛おしい。
(圭さんもメイキングのインタビューでも一生懸命な所を意識したと言っていた)
そこから『バックダンサーズ!』のために必死にライブを計画する茶野君。
「茶野くんさ、お前バカだな」
と言われながらも彼の一生懸命さが人を動かしていく。
茶野君やみんなの頑張りで開かれたライブ
。
客席からバックダンサーズ!の4人を見守る茶野君は、可愛らしい子ども(ともえの子ども)を肩車しながら嬉しそうな可愛い笑顔をみせる。
田中圭の可哀想可愛いコロコロ変わる表情が堪能できる。
タナカー的には大満足の作品。
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『2006年のプラスアクト09』でバックダンサーズ!について語っている圭さん。
冒頭の文章
「夢見るような美形でもなければ、憂いを含んだシャープな眼差しを持つ訳でもない。佇まいはいたって普通。
同級生にあんな子いたな、なんて思わせる普通さ。でもそれが彼の持つ、一番の強みなのだ・・・」
この評価いいよね。
永山監督から言われた言葉にも言及している
”茶野はもっと馬鹿なんだ” ”茶野をいい人にするな”
そう言われたらしいけれど、私には馬鹿には見えなかったな。
いい人にしか見えなかった(ごめんね監督、ごめんね圭さん)
永山監督の作品の圭さんは”いい人”の役が多いというインタビュアーさんの言葉に
「監督は僕の事をよく馬鹿っていうんですが、馬鹿な役が多いかも。」
と答えている。
スローダンスの幸平君もよかったよね良い役だった。
この雑誌で理想とするお芝居を聞かれた圭さんは
~受けて返せる人になりたい (中略)
相手の芝居を受けたものを、自分の言葉にして出す!
そういう人に、私はなりたい(笑)~
最後宮沢賢治みたいになっちゃってるのが照れ屋さんの圭さんらしいけれど。
そこを評価され続けて今がある圭さんが恰好良いよね。
インタビューも写真も最高のこのプラスアクトはおすすめです。
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【ここからは特典映像の感想】
▼メイキング
メイキングではあのキスシーンの直前が見られる。
ふざけて『バックダンサーズ!』のダンスを真似する圭さん。
あまりにも気持ち悪いダンスからのあのシーン・・・
モニター越しのあのキスシーンが見られるメイキング。
本当に美しいキスシーンで・・・
いつもふざけてばっかりだけれども本番は魅せる圭さんらしい。
▼未公開シーン
茶野君の未公開もちらほらと。
最後のライブ前の茶野の演説は、一緒懸命で可愛いくて本編に入れてほしかった程。
▼完成披露試写会
この試写会ではまさかの『茶野あきら』という役を纏っての登場。
緊張した面持ちで挨拶する圭さん・・・いや茶野君。
感極まって泣く真似をしたり場を盛り上げる。
田中圭としての挨拶では、真剣に良いこと言ってるのに、最後ふざけちゃって、女の子たちに怪訝な顔で見られるところが照れ屋さんの圭さんらしい。
▼インタビュー
「とりあえず一生懸命であろう」そんな気持ちで挑んだという圭さん。
容姿が本当に初々しい。
この特典映像で最も好きなのは永山耕三監督のインタビューだ。
~設定で言えばちょっと若いかと思うんですけど~
~言われもない災難で振り回されるみたいな感じは1番合ってると思う。
1番の理由は迷惑をかけられやすい感じ?
振り回されやすい感じがあるんですよね。
彼には・・・でそれが似合ってると思うんでそれがこのキャスティングの理由だな~
年齢が合わないけれどキャスティングしちゃう程圭さんにピッタリの役だったのかな。
ランウェイビートでも監督からそんなこと言われていたよね。
巻き込まれる姿がこんなにも滑稽で可愛くて、応援したくなる圭さん。
おっさんずラブでは受けの演技が評価された圭さん。
そんな魅力をずっと昔から信じて起用してきた永山監督。
いつかまた二人のタッグを見てみたい。
巻き込みまくっても、キュンキュンするラブシーンでもドロドロな不倫劇でもいいから。
是非みせてほしい。
っていうか全部見たい。
バックダンサーズ!
特典映像も映画も見どころたっぷりで買ってよかった作品です。