青山

風が吹くままの青山のレビュー・感想・評価

風が吹くまま(1999年製作の映画)
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葬式を取材するため、もうすぐ死にそうな老婆がいるという田舎村を訪れた語り手たち。しかし、婆さんはいっこうに死なない......。


こないだ見たジグザグ三部作とほぼ一緒なんだけど、やっぱなんとも分からぬ良さがありました。


なんせ景色が綺麗。
こんな風景、イランの片田舎でしか撮れないっすもんね。ロケーションが反則。
白に近いクリーム色っぽい家々。青い扉や窓。それで花が飾ってあったりなんかしたら、抜群にインスタ映えですからね。
そして集落から外れたところは例のジグザグ道、ぽつぽつと点在する木々、砂っぽい黄土色の土地。
ストーリーはやっぱりあるようなないような感じですけど、あっち行ったりこっち行ったり移動してる生活風景を見てるだけでありえないくらいの異国情緒に苛まれます。そう、もはや苛まれるってレベル。エモすぎてしんどい。

ストーリーはないようなって言ったけど、おそらく映される全てがメタファーで、読み解ける人には読める何かがあるんでしょう。
分からないなりに、色んな人の顔が出てこないところとか、いちいち電話しに丘の上まで走るところとか、ちょいちょい挟まれる生き物の映像になにやら意味深なものを感じます。

あと、カフェの夫婦の会話とか、穴の中の人との会話とかは普通に面白かったっす。
青山

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