ひとまずの区切りとなった75年公開のシリーズ15作目。
久しぶりとなる前作からの直接的な続編で、前作のダイジェストを配したオープニングクレジットのカッコよさに本多猪四郎&伊福部昭コンビの底力を見る思い。要所要所のショットの切れ味と旋律の強さにオリジネーターの風格をベタに感じてしまいます。
前作にも出演していた平田昭彦が別の役で出ているのもある種の「らしさ」として機能。
またその役柄が不遇のマッドサイエンティストってんだからこれはもう原点回帰ベクトルを指向していると言っていいんでしょう。
さらにここまでおそらく予算や時間の都合で大胆にオミットしてきた群衆シーンも微量ながらインサート。さらにはヒロイン、桂さんのラブストーリーからの最終的な自己犠牲エンディングときた日にゃあ、どうしたってファーストゴジラを連想。
相応の子ども向けテイストを残しつつ詩情を醸すラストに作り手の矜持が滲む、一旦のクロージング作か、と。