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フランケンウィニーのRenのレビュー・感想・評価

フランケンウィニー(2012年製作の映画)
3.0
公開当時以来に鑑賞。中学生の頃、どういう経緯だったか男友達5〜6人で地元のシネコンへ観に行った記憶が蘇った。短編の長編化という点で、上手くいったリメイクだと思う。

「子どものキャラクターを増やす→ティム・バートンらしさの増強と設定の荒唐無稽さや夢っぽさへの納得度を上げる」「実写からアニメへ変更→リアリティラインの引き下げとスパーキーの可愛らしさ」以上2点が良かった。
目が大きくて頭身もよく分からない奇妙さは『~ コープスブライド』そのままだし、突如のグロテスクさ(血が出るとかではなく)は言わずもがなティム・バートン印。

科学の必要性を説く部分が追加されていたのはあり。あの前振りがあることで、町の子どもたちが実験に熱中する理由が「科学が楽しいから」ではなく「コンテストで何がなんでも勝ちたいから」という歪みが明らかになっていくので。基本的に子どもがヤバいのは『チャーリーとチョコレート工場』などと同じ。

短編では語りきれていなかった、死者を復活させることへの倫理的問題にも多少なりとも斬り込んでいた。まだ足りない気はするけど。ファミリー映画だから仕方ないのかもしれないけど、死者蘇生がいけないのは「ゾンビ化して危害を加えるかもしれないから」「また同じ別れをしたら悲しいから」とかではないとどうしても思ってしまう。
ラストも改変は無いのだけど、これまた納得できず。愛を求めたが故に命が軽く扱われている気がして上手く受け付けられない。

ルールも乗り越えられず。雷を落とされたら死者がどう復活するのかが完全に製作者の都合で変わっている。透明になるのか、巨大化するのか、融合するのか、基準がよく分からないので素直に興奮できない、というのは結構問題点だと思った。

死んだもの=動かないもの に命を吹き込む話を、ストップモーションという人形=動かないもの を動かすアニメーションで再現するのがとても理にかなっていた、ということも併せて記載しておきます。
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