このレビューはネタバレを含みます
修行時代〜スタア時代〜中国てんやわんや時代を生きた女形役者が主人公。重厚な悲劇であると同時に、古典演劇の華やかさと妖美な歌声が幻想的でもある。「運命を受け入れる」というのがテーマだと思った。とはいえ、育児放棄、虐待、性的暴行、逮捕、投獄、裁判、阿片中毒、拷問等々すごい話だ。エキストラの人数も数えきれない。
誰が威張っていて、どの主張に賛同すればセーフなのか、ころころ変わっていく。文化大革命で拷問を受けて、罵り裏切り合う場面は特に悲しかった。職業の善し悪しとか結婚とか愛とかなんなんだろうね…。ラストは、叶わない愛を演目になぞらえて昇華するための行いかな。