トラジャ

さらば、わが愛 覇王別姫のトラジャのネタバレレビュー・内容・結末

さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ずっと辛い。こころ揺さぶられ続けた。入り込んだ。
動乱(はちゃめちゃ)の、中国の時代の渦に巻き込まれてゆく、京劇の役者と、その周りの人達。

どストレートな表現で、今の映画に見られる、斜めから見る感じはない。
だからこそ、響く。

驚いたのは、今世界的に問題になっているテーマが詰まっている事。
この映画が作られた時代には、そんなに話題になっていなかったはず。

ミートゥの問題(権力者が弱いものにつけ込んで、性を自分の物にする)、マイノリティな性、同性愛、狭い世界で許されてきた体罰、体が他と違う風に生まれてきた人への差別などなど。

今だったら、このテーマを取り上げるとしたら、非難、抗議じゃないと受け入れられないが、そのまま事実として描いている。

前半は辛いなかにも希望があったが、文化大革命の頃になると 辛いばかり。
裏切りは暴力より辛い。

そんな中、蝶衣の美しさが変わらない、、、

蝶衣の仕草、表情は美しい。子どもの頃も素晴らしかった。

気になったのが2点。
最初2人が舞台に上がり21年ぶりに舞台に上がって会ったのは11年ぶりって、この物語のいつの事?
って思ったが、後で最初とラストが繋がってるってわかり、、情けない。


もう一つ、前半は丁寧に描いていたのに、後半はザーッと流して「1960年〇〇、って言う字幕が出てどんどん時代が過ぎていって、流れが急すぎ!
前半の流れと違いすぎて違和感を覚えた。あんなにいい映画なのに、、

今は韓国映画などの方が注目されがちだが、この時代は中国映画が凄かった!
他の中国映画も改めて見直したくなった。
トラジャ

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