モールス

レッド・コーナー 北京のふたりのモールスのレビュー・感想・評価

4.0
異国での犯罪巻き込まれ型ムービーで、舞台が中国というのが怖い話です。トルコを舞台にした「ミッドナイト・エクスプレス」ほど切迫感、重厚感はありませんが、異国で冤罪を晴らすことが困難であるというプロットは同じです。

中国の法律の概念の一つとして、罪を認める者には慈悲を与えるとあります。単に自白を甘い言葉で誘導してるだけと思います。裏を考えると怖くなります。

本作の主人公はジャック(リチャード・ギア)、異国のアバンチュールで中国女性と一夜を過ごす。目が覚めるとその女性の死体が自分の横に…。アメリカのセックスシンボルと言われた俳優さんですから、そんな描写になるのでしょうか?とにかく誰かに嵌められたのです。ジャックは衛星放送チャンネルの売り込みで中国に出張に来たのですが、その利権の取り巻きに狙われたようです。
これらは政財界の陰謀であり、裁判で立ち向かうにはハードルの高い相手です。そんな厳しい状況の中で国選弁護人としてやってきたのが、女性弁護士のユーリン(バイ・リン)です。この女優さん、なかなかの知的美人です。見た目は冷たい感じがするのも凛とした雰囲気を感じさせます。
リチャード・ギアの方は、彼が持つエレガントさが役柄に少し合ってなかったかと…。それ故に切迫感がなくなったように感じますが、テーマの割りにはお硬い作品にならずに観やすい作品であったと思います。もっとも本作のラストシーンだけ見ればリチャード・ギアが適役でしょうが。

本作品が公開された後に中国が猛抗議したらしいです。しかし死刑の判決後に数日後に執行する国ですからね。抗議するのもお門違いでは?
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