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イタリア式離婚狂想曲のbirichinaのレビュー・感想・評価

イタリア式離婚狂想曲(1961年製作の映画)
4.0
イタリアでは今でも教会で結婚したカップルの離婚は手間がかかるらしいが、この映画の時代は離婚はご法度だった。ちなみにマストロヤンニが読んでいる法律書によれば、妻の不倫を知り逆上して妻を殺した場合、禁錮3〜7年。
ところがマストロヤンニは、若く美しい従妹(ステファニア サンドレッリ)に目が眩み、彼女と結婚するために妻とどうすれば別れられるかを考え始める。様々な幻想を抱いたり、妻が不倫をするように画策して盗聴器で証拠を録音したりするのがコメディタッチで描かれていて笑える。

マストロヤンニが髪がボサボサにならないように黒い網を被っているのは誰の思いつきなのだろう? イカした演出。

妻は性欲の強いタイプらしく毎晩誘ってくるからたまらない。また、事あるごとに「フェフェ(夫の名前)」と甘ったるい声で夫を呼び、「イヒヒヒヒ」的な笑い声を立てる。(媚びてるつもり?) 。
その笑い声が耳について離れない。若い娘でもないのに三つ編みお下げの髪型もコワい。でもこの暑苦しい妻がいないとコメディにならないから、彼女は◎

16歳くらいのS サンドレッリが見た目清楚なのにしぐさが色っぽく美しい。イタリア版DVDの特典映像に彼女のカメラテストの映像があって必見もの。

ラストの足が、マストロヤンニ演じる主人公の今後を予想させ、これぞcommedia all’italiana!

マストロヤンニの妹の恋人が映画館で「甘い生活」のアニタ エクバーグを見ながら、決してふくよかでない自分の彼女に「巨乳なだけだ」と言いつつ目が画面に釘付けなのは笑った。
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