イタリア式離婚狂想曲の作品情報・感想・評価

「イタリア式離婚狂想曲」に投稿された感想・評価

妻と、どうしても離婚したい男が試行錯誤し妻と別れようとする映画。「離婚しようと頑張る男」…いや酷くない?確かに脚本や音楽や演出は良かった。でも扱っている題材が最悪。

コメディなのに全然笑えない、奥さんが本当に可哀想。男目線で見たら楽しいかもしれないけど、どうしても奥さん目線で見てしまったせいであまり楽しめなかったです。

ただ、展開がお見事で男がどうやって離婚をするかって所はハラハラして楽しめたかも。まぁアカデミー賞とゴールデングローブ賞を取るだけはあったかもしれない。

このレビューはネタバレを含みます

めっちゃ可愛い16歳女子と恋に落ちるアラフォー既婚男性。しかしイタリアの法律で、妻(夫)が死なないと離婚ができないと決まっている。でも妻を殺そうものなら監獄行きで、16歳女子と結婚できない!どーしよー!

という話。

こんなハンサムガイなのに、相変わらず軽薄(かるくてうすい)な役柄がマルチェロ・マストロヤンニによく似合う。舌打ちするたびに左頬をクイッと上がる癖がカッケェ。本作では口髭をたくわえているので、男爵感が非常に強いのだが、役どころがドジで表情豊かキャラなので、特に威厳は感じない。

作中で超人気映画という扱いでフェリーニの「甘い生活」が封切りになっているが、主演が本作と同じマストロヤンニという謎パロディも用意されている。確かに、どちらも軽薄ヤンニだけどさ。

邪魔者として君臨する妻は、"バカでブスで空気読めない"という三冠王を独占しているのだが、同時にスタイルが良くて愛嬌もあるので憎めない。だが16歳女子にガチ恋愛してるアラフォーおじさんにとっては許しがたいようで、事あるごとに妻の殺害方法を妄想されている。だとしても宇宙にぶっ飛ばす方法は、本来まず候補にすら入らないだろう。ジョジョ2部のカーズ様じゃないんだから。宇宙にぶっ飛ばしてでも眼前から排除したいほどに16歳女子に首ったけになっていると考えれば、なるほど納得できるものだ。(できない)

若い頃のステファニア・サンドレッリ演じるヒロインも相当に可愛らしいが、個人的には、結婚を控えて情事にふけりまくっては毎度マストロヤンニに邪魔される眼鏡女子のアニェーゼ(妹役)が一番可愛かった。なんていう女優なんだろう?最後には、よりも戻して子どもも生まれてたので、実はちゃっかり彼女はハッピーエンドに辿り着いている。

マストロヤンニの当初予定していた計画が失敗してからの逆転の発想、己の身を削り全てを犠牲にしてまでヒロインとの恋愛を目指して行動する姿は男らしいのだが、ひたすら計略によって妻を陥れようとするという手段は流石に擁護できるものではない。妻も最後には策略の結果とはいえ、過ちを犯しているので可哀想とは思えないのが救いか。

しかし、この流れで完全勝利なんて許されるのか?という疑念からのラストカット。思わず「うおおおお…!」と慟哭してしまった。

男と女は、かくも卑しい。まだフェフェ(マストロヤンニ)の苦難は始まったばかり。


本当の人生は40歳からだ。

いや、まったくね。
NICE

NICEの感想・評価

4.8
不道徳のおもしろさ。
道徳のしょうもなさ。

ブラックコメディ✖︎サスペンス🇮🇹
カオスな映画ではないけど狂ってる…‼︎

明るいフィルムノワールという印象だが、倫理やルールが絶無なだけ、むしろそれらより退廃的。説教臭さ(善悪)が無くもはや悟りの境地。

厳しい制度や慣習があると、余計に人間は間違った道へ走る…カトリック&イタリアへの皮肉。

重苦しいネオレアリズモに疲れ、それからサヨナラをした作品だったのかも。
これは恐ろしい映画…😱
なか

なかの感想・評価

3.9
離婚制度が禁じられていた時代に、マルチェロ・マストロヤンニ演じるダンディな主人公が、妻の名誉殺人を試みる話。
最後のオチも含めて、クスッとさせられるブラック・コメディ。面白かった。
半兵衛

半兵衛の感想・評価

3.5
マストロヤンニは二枚目なのに、なんでさまぁ~ず大竹ばりのおとぼけフェイスが出来るんだろう。お陰で妻を殺して可愛い年下の女と再婚しようとするブラックなコメディの世界にすんなりと入れる
chiyo

chiyoの感想・評価

4.0
2020/5/17
何と言っても、マルチェロ・マストロヤンニ演じるチェチェのキャラクターが面白い。17歳の従妹アンジェラに懸想することも、妻ロザリア(眉毛と口髭が気になる!)の殺害を夢想することも、事ある毎に舌打ちをすることも。普通にしていれば男前なのに、敢えて三枚目を演じているのが逆に魅力的。そして、彼を取り巻く親族も一癖も二癖もあり、中でも、ロザリアの執拗なベタベタっぷりが楽しくも鬱陶しい。また、チェチェの“寝取られ男”の徹底っぷりも凄まじく、その行動力と演技に頭が下がるばかり。ただ、やっぱり悪いことは出来ないもので、結局は相応のことが自分に返ってくる。ラストのシーンは、「やっぱり!」な気持ちと「あーあ…」な気持ちが綯い交ぜに。
田中萌

田中萌の感想・評価

3.0
イタリア男らしいブラックな
恋愛コメディ。
登場人物がステレオタイプなイタリア人で
楽しめました。
GO

GOの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「イタリアの至宝」マルチェロ・マストロヤンニの怪演が光る艶笑コメディ

あの手この手で妻を間男とくっつけようと奮闘するフェルディナンドが可笑しい

手紙の偽装、弁護士への根回しなど、よく考えるとかなり狡猾で恐ろしい手口なのだが、演出の妙でそれさえコメディチックになってしまう

家族で「甘い生活」を観に行く「中の人」ネタには笑った
自身の代表作であり、映画史に残る傑作さえも1つのギミックにしてしまうなりふり構わなさには脱帽

このテの作品では珍しく、フェルディナントは計画を完遂し、晴れてアンジェラと結婚する
ハネムーン途上での気の利いたラストには、思わずニヤニヤさせられる
lemmon

lemmonの感想・評価

2.4
サイレント映画のような作風に、ピリリと効いた物語の中、マストロヤンニがチャップリンのように舞い踊る。

奏でる音楽が、話の物語の深刻さ以上の可笑しみを伝え、雰囲気は決して嫌いではない。

この映画、2時間以上に感じた。語りが多く、とても疲れた。

全体的に相反した作りは新鮮。なぜかキュートな映画と感じさせてくれる、ここにも可笑しみが、、、ただ高評価は理解しつつも自分には合わず。


奥さん、稀に髭が生えて見えたけど、幻想?ゲジ眉といい、彼女の存在が可笑しみの最たる部分に思った。第何番まで続くのか、ラストも粋。
たく

たくの感想・評価

3.5
イタリアの高名な男爵が若くて美貌の従妹と結ばれるため何とか妻とうまく別れようと計画するコメディで、フェルディナンドの回想形式で進んでいく。マルチェロ・マストロヤンニは「ああ結婚」でも婚姻に苦しむ惨めな男を演じてて、ほんと上手いね。本作は「ああ結婚」とは違って偶然の助けもありつつ男の思惑通りに事が運んでいくのが対照的だった。
ラストでやっぱりねっていうオチはついてるけど。

前半、しつこく愛情を確認してくる妻を見ているうちにフェルディナンドが彼女を殺害する妄想が何度も出てきて、この奥さんが彼より顔がデカくていかにも南国の無教養な感じが絶妙なキャスティング。
途中でマストロヤンニ自身が主演してるフェリーニ「甘い生活」が出てくるのが面白い。アニタ・エクバーグが踊ってるシーンが出てきて、思わず彼女に見とれちゃうカップルの男が女に「乳のデカい哺乳類だね」って誤魔化すのが笑えた。
フェルディナンドの計画とは違ったけど結局は都合のいい展開になって、なんでこのまま離婚せず殺害までしなきゃならないのか引っかかったんだけど、要は貴族だから社会的な名誉が重要なんだってことだね。

監督のピエトロ・ジェルミは「鉄道員」の監督・主演で有名。幼いころ実家で親の寝室にあった目覚まし時計のオルゴール曲が「鉄道員」のテーマ曲だったのをずいぶん後で知り、親に伝えたら全然覚えてなくて肩透かしくらった記憶がある。