映画男

おとうとの映画男のレビュー・感想・評価

おとうと(1960年製作の映画)
4.0
素晴らしい。この映画の見所はなんといってもその色彩。いわゆる「銀残し」という手法で現像されたため、色が暗いトーンで均等に配置されている。そこにいい感じに赤や紫の崩しを入れることで、より鮮明に事物を際立たせる。なによりどんよりとしたカラーでは日本的な陰鬱した嫌な感じがよく表れている。

それから、主演の岸恵子のなんと素晴らしいこと。
母親代わりにおとうとの世話を焼きながら、自分の人生を犠牲にしても家族に尽くす姿に心打たれる。それからぞっとさせるラストシーン。すべてが感動的だった。
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