ヌルハチ

夕やけ雲のヌルハチのレビュー・感想・評価

夕やけ雲(1956年製作の映画)
4.5
昭和のリアルを感じる作品。口減らしに子供を養子に出す、自分の意思に関係なく親の後をつぐなど、懐かしくて暖かいだけの昭和像はそこにはなく、ただただ日々を耐え忍び過ごす人々の姿があるのみ。
奔放な姉・豊子と違って寡黙で真面目な弟・洋一。妹との別れのシーンは涙。親友・原田との友情も微笑ましく可愛らしい。
少年は青春時代の様々な憧れに別れを告げ大人になる。
「さようなら、僕の愛した人たち。遠眼鏡の女、妹、友達、船乗りに憧れた自分。さようなら」