ある日若槻が働く保険会社に「自殺にも保険金は下りるのか」という電話が入る。
その電話を受けた若槻は電話越しの女性に自殺を思いとどまるように声をかけた。
後日、菰田重徳という人物から若槻に指名が入る。
身に覚えのない名前であったが、若槻は菰田の家へと向かう。
それは、とてつもない恐怖の始まりだった。
「乳しゃぶれー!下手くそ!」
久しぶりに本当に怖い映画を観た。
菰田家訪問時でのアレからだいぶ恐ろしいが、サントラがドラマっぽい感じでそこまで不穏には感じず。
保険金目当てに狂っていくような話に見えるが、保険金はただの道具でしかない。
ボウリング場の大竹しのぶもヤバいけど、片手軍手で保険金せびる西村雅彦の方がよっぽどヤバい。
でも、こういう迷惑というか反社会的な人格の人普通にいそうだなと思っていた。
ただ、前半ややぬる目な分、後半の畳みかけ方がえげつない。
少しずつ少しずつヤバさの元凶が大竹しのぶに絞られていく。
そして、あのクライマックス。
噂に聞いていた大竹しのぶの怪演は本物だった。
もうサイコパスの域をも超えている。
人の皮を被ったバケモノ。
この人間には心がない、というキャッチコピーだが、もはや人間でないのではないか。
ヒトコワ系というより心霊系のホラー映画に分類したい。
だって、会社の電気操作したり、彼女が帰ってきた途端部屋に明かりがついたり、必ずセミが出てきたり、あれは霊力でしょ。
個人的にでんでんはそこまでトラウマにならなかったけれど、大竹しのぶは完全にトラウマ。
今後普通に出てきてもビビってしまうと思う。
恐怖が何段階かになっているのもズルい。
あの悍ましい家のことを考えるだけで今でも鳥肌が立つ。
愛の力で恐怖に立ち向かうってのもありがちだけど良かった。
それにしてもボウリングの玉ってあんなホラーアイテムになるんですね。
「そうか〜まだなのか〜」