ロックウェルアイズ

ブレードランナー ブラックアウト 2022のロックウェルアイズのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

『ブレードランナー2049』の公開に合わせて製作された3本の短編のうちの1本目。
渡辺信一郎監督によるアニメーション映画で、舞台は1作目から3年後の2022年。

この短編3本は1作目と続編を繋ぐ話なので全部観ておいた方が良いけれど、2036と2048が実写で2049のおまけ感が強いため、特にこのアニメーションは別作品として異色で、かつオリジナルへのリスペクトも感じる大変素晴らしい作品だった。

ネクサス6型が4年の生涯を終え、新たに造られたネクサス8型。
6型よりも長い寿命を得た8型だったが、再び反乱を起こしたことでレプリカントの製造が中止となる。
たった15分でもレプリカントが持つ哀しみが継承されていたし、なによりも世界観があのまんまなのが良い。
日本人監督だからこそ、日本っぽさとか日本のアニメ力とか、そこを全面に押し出して描いてくれているところが嬉しい。
日本のアニメで外国人キャラが日本語喋っていると違和感抱いてしまうが、これはそんなことなかった。

レプリカントの少女に対して人間の少年が言った言葉がシンプルだけど強く刺さった。
「人間ってのは愚かだけど、君たちは純粋で完璧で裏切ったりしない。本物よりずっと良いよ。」
ハッとさせられた。
そうか、レプリカントには人間の汚いところは無いんだ。
これをテーマになんか一本撮れそうじゃん。
レプリカントの少女の声が青葉市子さんなのも良い。

なんか、本当に15分なのが悔やまれる。
足りないよ。もっと長尺で観たかった。
あんまり言いにくいけど、オリジナルを踏まえた上でオリジナルよりも好きかもしれない。
そして、この作品を観て逆にオリジナルも結構好きになってきた。