教授

トイ・ストーリー2の教授のレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー2(1999年製作の映画)
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2作目。
個人的にはちょっとつらくなってきた。

前作からテクノロジーの進歩でCGによる画面のクオリティは格段に進歩。
キャラクターたちの擬人化はかなり進み、人間と、オモチャたちの違いなどもしっかり作画で可能になっている。

そして各オモチャたちの種類も増え、それらの特性とかもしっかりと描きこまれて楽しさは増えた。

今回から登場のジェシーは特に実在感があるし「オモチャの寿命」を語る上での切なさと、改めてウッディたちの思想や、アイデンティティの掘り下げという意味では上手くエピソードもできていると感じる。

正直、何度も泣きそうになった。
それはエピソードと、シーンの構成によって実に映画として観客のエモーションを誘う完成度の高さ故だと素直に思う。

しかし、やっぱり。全編にもところどころ散見してはいたが、前作にあった終盤からの荒唐無稽さが激しくなる辺りからリアリティのバランスが著しく壊れて感情移入が難しくなる。

明らかに人間社会の側へ影響の強い行動を取り始めるので、人間たちに隠れて話したり動いたりしている、というこの世界の面白さが半減する。

それ以上に、子供達と遊ぶ、といういわば制限付きの使命を選ぶか、博物館に展示されて「永遠の命」を選ぶか…という最も面白くなりそうなドラマを、割とアッサリと片付け、何よりも、プロスペクターを一方的に悪役にして、更にはあのような「やっつけ」方をしてしまったことによる、後味の悪さが、この作品をとても下品なものにしてしまったと思う。

やっぱりそこで一気にゲンナリとしてしまったのが残念だなぁと思った。
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